2021年2月12日金曜日

『漱石さんのロンドンにおけるエピソード』土井晩翠


今は世に無い御良人に対して辞句或は敬を失したかも知れませんが、漱石さんが深淵の学識と非凡の天才とを兼ねた文豪であり、明治大正に亘りて爛々の光彩を放つた偉大の作家であるといふ事実に対しては、深厚の敬意を払ひつゝある私であります。そして此一文を書いて寃を漉ぐ機会を偶然にも与へて下すつたあなたには一片感謝の念が無いではありません、決して皮肉にかく申すのではありません。

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